ヨーガとは

ヨーガとは

聖山アルナーチャラ

沐浴場から見た聖山アルナーチャラ

ヨーガとは心の働きを抑制し、
心の静けさを取り戻す事である。

「Yogas citta vrtti nirodhah」

(ヨーガス チッタ ヴィリッティ ニローダ)

パタンジャリ ヨーガスートラより

湖の表面の波が静まれば湖の底が見えるのと同じように、心が鎮まれば心の奥にある普遍の本性が現れます。
「何も持たず、何もなさずともただあるがままで幸せ」それをヨーガでは至福「アーナンダ」と呼びます。
ヨーガが目指すのはこの、永遠不変の至福「アーナンダ」の実現です。
その中で、ハタ・ヨーガは、意識呼吸姿勢で生命エネルギー「プラーナ」を制御することによって心を鎮め、至福「アーナンダ」を実現する技法です。

ハタ・ヨーガの身体観

ヨーガでは、身体を多重構造と見ており、大きく3つに分けています。

①粗大身
物質的要素の優勢な身体
②微細身
生命エネルギー(プラーナ)と心の働きが優勢の身体
③原因身
個の大本となる真我(アートマン)を包むさらに精妙な心とエネルギーの身体

ハタ・ヨーガの行法は主に、エネルギー優勢の身体「微細身」に働きかけます。
ハタ・ヨーガにとっての身体は「生命エネルギーの流れる通路」
ハタ・ヨーガの技術は全て、生命エネルギー(プラーナ)の流れを良くするためにできています。そのためにハタ・ヨーガでは、意識呼吸姿勢(特に背骨の方向性)を大事します。

ハタ・ヨーガの身体観

意識

意識を向けたところにエネルギーは集まります。また、意識でエネルギーの流れる方向を変えることができます。

呼吸

呼吸に合わせてエネルギーが動きます。ゆえにハタ・ヨーガでは呼吸を通じてエネルギーの流れをコントロールします。

背骨

背骨はエネルギーの流れる幹線通路。樹に例えると太い幹に当たります。ですから、幹に樹液が満ちれば自ずと枝葉に流れていくように、背骨に満ちたエネルギーが全身に分配されていきます。

背骨を中心に大事な3つのルートがあります。

背骨の右 太陽の道(ピンガラー) 左 月の道(イダー) 中央 中心管(スシュムナー)

主に、この3つのルートのエネルギーの流れをよくするために生まれたのがハタ・ヨーガの技術です。

ハタ・ヨーガでは意識と呼吸と姿勢でエネルギーの流れを制御し、心を鎮めます。

チャクラヤントラ図

チャクラヤントラ図

ハタ・ヨーガの3本柱

ハタ・ヨーガの技法は主に体位法(アーサナ)、呼吸法(プラーナヤーマ)、瞑想法(ディヤーナ)によって成り立っています。

アーサナ(体位法)

アーサナ(体位法)

アーサナとは坐法という意味です。
全てのアーサナは瞑想坐法の代表、パドマアーサナ(蓮華座)の変化形であり、全て同じ原理原則でできています。

アーサナは、主に背骨にエネルギーを流すために行います。
背骨を中心として、末端の手足や頭頂まで、エネルギーの流れが切れないように全身を一つにして扱うのがヨーガの大きな特徴です。

また、ハタ・ヨーガのアーサナ特有のゆったとしたリズムは、古代インドで使われていたサンスクリット語のリズムからきています。

動きがゆっくりなのは怪我の防止のためではなく、じっくりと力を加えることでよりエネルギーが流れるからです。

そのサンスクリット語のリズムと静かな呼吸に乗ってアーサナを行う時、ヨーガの求める「強さ」と「柔らかさ」が最も得られます。

プラーナヤーマ(呼吸法)

プラーナヤーマ(呼吸法)

プラーナヤーマとは、プラーナ(生命エネルギー)、アーヤーマ(制御する)つまり呼吸を通して、プラーナを制御することです。

プラーナヤーマはハタ・ヨーガの技術の根幹です。

ハタ・ヨーガの呼吸法の目的は、主に二つあります。

一つは体内に新鮮なプラーナを取り入れ、使い終わったプラーナを排泄し、エネルギーの入れ替えをすることです。

もう一つは、エネルギーの通り道ナーディーを掃除し、エネルギーの流れをよくすることです。

特に大事な背骨を中心とした3つのエネルギーの幹線通路(ピンガラー、イダー、スシュムナー)の流れをよくするために、意識的に呼吸を通してプラーナの流れをコントロールします。

ディヤーナ(瞑想)

ディヤーナ(瞑想)

瞑想法とは心を鎮めること。ああでもないこうでもないと動き回るのが心の性質。
その心を鎮めるためには、2つのアプローチがあります。

① 集中(サンヤマ)

瞑想には対象物が必要です。その対象物に意識を集中していると、他の思考の働きは自ずと抑制されます。ハタ・ヨーガでは主に呼吸が集中の対象となります。

② 観照(ヴィパッサナー)

ハタ・ヨーガでは主に呼吸とプラーナ(生命エネルギー)のあるがままの働きに気づいている状態を指します。

ハタ・ヨーガの瞑想は呼吸への集中から始まります。集中が進んでいくと、呼吸の様々な側面への深い気づきが生じてきます。

さらに進んでいくと、自我の意識が薄まりやがて対象物(呼吸)と一つになり、今、この瞬間「呼吸だけがある」という意識になります。

この対象物と一つになった状態を「サマーディー」と呼び、我が国の「三昧」の語源です。

ハタ・ヨーガの活用法

・アーサナの動きは、全ての無駄が省かれ、最も効率良くエネルギーが伝達される完成された型になっています。
ですから、スポーツ、武道、ダンス、音楽・絵画といった芸術活動、更には日常の家事から介護にまであらゆる身体活動に応用が可能です。
あるインド舞踊家の方が、ヨーガについてこんな感想をおっしゃいました。
「私はすごく悔しいです。このシステムにあと15年早く出会っていれば、トップダンサーになれたのに」

・呼吸法は、道具もいらず場所も取りません。短時間で深いリラックスとエネルギーの充電ができます。充電したエネルギーを疲れた眼に注ぐこともできます。 「眼が驚くほど楽になった」とご好評頂いております。

・昨今、リラクゼーションとしても瞑想が注目されてきています。
ヨーガには、呼吸の様々なパターンを利用した数多くの瞑想法があります。
ですから、続けていけば誰もが自分に合った瞑想法をみつけられます。
ヨーガでは、身体や息を調えてから瞑想するので、より瞑想状態に入るのが容易になるのが大きな特徴です。

ハタ・ヨーガは何といっても背骨です。
健康問題も、心の問題も、スピリチュアルな問題も、全て背骨にエネルギーを通すことで解決します。

ヨーガでは、言います。

「全ての秘密は背骨にあり」

まずは気楽に体験してみて下さい。

マンダラ

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