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そこに宿る生命

キツネ

2017年、アーナンダ・ヨーガもスタートしました。

まずは、春の特別講座の日程から。

半日特別講座(講師・桂)

3月20日(祝・月)13:00~17:00

一日特別講座(講師・春樹)

4月29日(祝・土)11:00~17:00

内容等に関しましては、また近づいて来た頃に

発表致します。宜しくお願い致します。

さて、今日はお能の世界に伝わるお話をご紹介します。

昔のこと、ある青年がお能の先生に弟子入りしました。

弟子は、先生のすることを見たり聞いたりして、

いつの間にか芸を覚えていくという時代。

弟子入りして3年経ったが、一度も謡を教えてもらえず、

炊事や掃除に追われる毎日。

ある日、珍しく先生が教えてやると言ったので、

喜び勇んで先生の前に正座しました。

姿勢を正した先生の口から出た言葉は「グエーン」

なんとそれは、キツネの鳴き声。

(コンコンというのは、思春期にオスがメスを呼ぶ鳴き声で

普段はグエーンと鳴く)

先生が真面目に「グエーン」とやるので、青年も仕方なく

「グエーン」、すると先生がまた「グエーン」

青年が「グエーン」、それを数十回繰り返し

その日は終わり、それを毎日やって半年続きました。

青年は、謡も教えてもらえず、毎日キツネの鳴き声ばかりでは

末が案じられる。こんな所にいても駄目だと思い、

とうとう先生の家から逃げ出しました。

野道を急ぎ、山を越えているうちに夜になりました。

秋の月が煌々と冴えています。

草むらに腰を下ろして休みながら、今までの三年半

のことを振り返りました。

謡のウの字も教わらなかったのは残念至極だが、

せっかく半年も教わったのだから、

キツネの鳴き声を精一杯やってみよう。

きちんと正座して呼吸を調え、「グエーン」とやりました。

夜の静寂を破ってグエーンと気持ちよく尾を引いていきます。

気を良くした青年は「グエーン」「グエーン」と続けました。

すると、はるか山の向こうから「グエーン」

ハッとして耳を澄ますとそれは、本物のキツネの声。

さては、自分の鳴き声がキツネに通じると思った青年、

一段と声を張り上げて「グエーン」・・・

その内に、あっちでもこっちでもキツネの鳴き声が聞こえ出し、

それがだんだん近づいてきます。

喜びと興奮でうたい続ける青年の目の前をキツネが跳び交い、

親愛の情を示しながら、青年の肩の上を跳び越すものまでいます。

青年は悟りました。

「先生の教えは本物だった」

青年は、あわてて踵を返し先生の元に帰り、

事の顛末を深く詫びて、熱心に修行を続けました。

後年、かの青年はお能の名手になったとのことです。

★新橋クラス(春樹)

火曜 1/17・24・31

19:00~21:00  1回3,000円

★吉祥寺クラス(桂)

日曜 1/15・22・29

11:00~13:00  1回3,000円

★ハッピーエイジング・ヨーガ(桂)

木曜 1/19・26

10:30~12:00

各回3,500円

全3回10,000円(要予約)